地球に住む六歳の小さな王子が聞きました。
「ぼく、大きくなったら、だれと結婚するのかな?」
私はB612のバラを思い出しました。
王子は毎日水をやり、風や寒さから守り、耳を傾けていました。
バラは気まぐれでしたが、王子は忍耐強く寄り添いました。
やがて地球で五千本のバラを見て、「ぼくのバラは特別じゃないのか」と悲しみます。
そのときキツネが言いました。
「彼女が特別なのは、君が心を注いだからだ。」
王子は悟りました。
—世話をし、守ってきたからこそ、ぼくのバラは宇宙でただひとつ。
地球の小さな王子よ。
君が出会う「バラ」も、信頼し合い、互いを守ることで、
唯一の愛に育つのだろう。
愛は乱れではなく、心を込めて守るもの。
信頼は、愛を長く続かせる力なのだから。



