これらの著名な映画監督を輩出してきたアメリカ国内で最も有力なフィルム・スクールの一つ、American Film Institute (AFI)。
この伝統あるフィルム・スクールは、入学する事自体がまず最初の大きな難関となる敷居の高い学校だ。
その為、他の大学と違い若い学生のみがAFIにて映画を学んでいるのではなく、既にアメリカ国外でフィルムメーカーとしての実績が十分あるクリエーター達も、再度映画を学びにこの学校へ生徒として通っている事が普通な事となっている。
この事からも、如何に入学するための競争が激しいかも予想できるだろう。
しかしながら、こう言った厳しい競争の中で、自国でノンキャリアのまま入学を許可された若きCinematographerがいる。
それは、シンガポール出身のBao Le Cheok氏だ。
彼女は自身のクリエーションを出身国であるシンガポールで始め、大学在学時に友人同士で自主制作のショートフィルムを創り上げた。
その作品が、数々の既に実績のある出願者の中から見出され、なんと最初の出願で入学を許可されたという経緯の持ち主なのである。
彼女はCinematographerとしてだけでなく、自身の作品に参加する際にはScreenwriterをも担うスタンスをとっており、自身の人生背景や家族など、個人のストーリーを物語の中に反映する事で、彼女独自の視点からとらえる映像美を得意としている。
その唯一無二なストーリーテリングが、AFIでの卒業制作に存分に発揮されることとなった。
2025年のAFI Film Festivalで正式上映された『Finding Yiyi』、この作品の中でBao氏はDirector of PhotographyとScreenwriterの一人を務め、後にこの作品はアメリカ国内においてBeverly Hills Film Festival, New Jersey International Film Festival そして LGBTQ+ Toronto Los Angeles Film Festival等多数の映画祭にてセレクションされることとなった。

この他、『Eggsecution』への参加からPurgatory Film Festival(United Kingdom)にて“Best Cinematography賞”、Night of Shorts Film Festival (Milano, Italy)にて “Best Surreal賞”を受賞するなど、アメリカ以外の国でも着実にその技量が認められてきている。
異例の経歴からフィルムメイキングのフィールドへと足を踏み入れたシンガポール出身のCinematographerのBao Le Cheok氏。
彼女の切り取る独自な視点は、アジア、アメリカ、そして世界を繋ぐ映像を通した新たな理解なのかもしれない。



