

その頃、僕は世界の全てが怖かった。
すれ違う全ての人が僕の悪口を言っている気がした。コンビニのレジで小銭を渡すとき手と足と頭が震えた。電車では席に座れず汗と吐き気が止まらなかった。毎晩死ぬ方法を考えていた。楽に死ねる方法を検索した。そのうち涙が止まらなくなって、過去の家族や友達や自分に申し訳なくて、ベッドの上で土下座しながら泣き疲れて眠った。
夜だけは僕の味方だった。
夜には僕が恐れるもののほとんどがなかった。毎晩忍び寄ってくる希死念慮以外には。だから、そういう死にたがりの暗い影を消す為に僕は音楽や本やゲームに没頭した。現実からできるだけ遠くへ離れたかった。そして僕を一番遠くへ連れて行ってくれる作品達に心酔し、いつか僕もこんなものを作れたら、と思うようになっていた。それは今思えば希望だったのかもしれない。真っ暗な部屋に灯した豆電球くらいちっぽけだったが。
悲しいけど、また朝は来た。
死にたい僕は生きていく為に働かなければならない。どんなに現実から遠く離れたって陽の光は一瞬で僕を連れ戻す。
ただ僕は知った。昨日の僕より今日の僕の方が知っていた。
現実から遠く離れた場所に僕の知らない世界があることを。そこでは世界のなにも恐れなくてもいいことを。そこには体験したことのない喜びや感動が存在することを。そこは今いる世界より僕に似合っているかもしれないことを。そして、それはどうやら現実であるかもしれないことを。
僕は毎晩、そんな確信を集めていた。
amazarashi 秋田ひろむ
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〈2019年暑假 我的日記本〉
2019年8月14日(三)4時00分 我的天氣:雨天
那段時期,這世界的一切都令我感到害怕。
總覺得與我擦肩而過的所有人都在說我的壞話。在便利商店掏零錢結帳時,手腳和頭部都會忍不住發抖。電車上無位可坐時則不停盜汗,感到噁心想吐。每晚都在思考死去的方法。查到一些能輕鬆死去的方法。不一會兒眼淚撲簌簌滴落,想到過去的家人、朋友和自己,心中滿是愧疚;我在床上下跪求饒,直到哭得筋疲力盡才睡著。
只有夜晚會站在我這邊。
在夜裡,幾乎沒有會令我感到懼怕的事物,除了那悄然逼近的尋死念頭之外。所以,為了驅散那道急於求死的黑影,我選擇沉浸在音樂、書本與電玩的世界中。只因我想盡可能遠離現實。那些能將我帶往最遠處的作品令我深深著迷;漸漸地,我開始在想,要是有天我也能創作出這樣的東西就好了。如今看來,那份心願或許就是希望。儘管它微弱得猶如漆黑的房裡發出微光的一顆小夜燈。
遺憾的是,早晨還是來了。
想死的我為了活下去還是得去工作。無論逃離現實逃得有多遠,陽光總能一瞬間就把我拉回來。
不過,我知道了一些道理。今天的我比昨天的我知道得更多。
在離現實十分遙遠的地方有個我不知道的世界;在那裡可以不用害怕世上的任何事;在那裡有我從未體驗過的喜悅與感動;那裡搞不好比我現在所處的世界更適合我;而那,似乎有可能就是現實。
每晚,我都在收集能支持這些說法的依據。
amazarashi 秋田弘
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