尖閣:你跟我,我拔槍(2/4)
防衛大臣臨時記者会見◎防衛省(2013.02.05、19時02分~19時13分)
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2013/02/05a.html
1月30日、水曜日、午前10時頃、東シナ海において、中国海軍ジャンウェイⅡ級フリゲート1隻から、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、火器管制レーダーのようなものの照射がありました。防衛省としまして、これがどのようなレーダーかということを精査いたしましたが、本日、これが火器管制用レーダー、いわゆる射撃用のレーダーということ、この照射があったことが確認をされました。なお、実はこの1月30日を遡る10日前、1月19日、土曜日、午後5時頃にも、東シナ海において、中国海軍ジャンカイⅠ級フリゲート艦、これから海上自衛隊護衛艦「おおなみ」搭載のヘリコプターに対して、同じような火器管制レーダーの照射が疑われる事案が発生しております。このような火器管制レーダー、いわゆる射撃用のレーダーを発出するということは、大変異常なことであり、これが一歩間違うと大変危険な状況に陥る、そのようなことを我が国としては認識をしております。このことを踏まえ、中国側に申し入れを外交ルートで行いました。本日17時半頃、外務省中国・モンゴル第一課長から、在京中国大使館の参事官に対して、また、本日18時20分頃、我が国、在中国大使館次席公使から、中国外交部アジア司長に対して、それぞれ申し入れを行いました。
Q:こうした中国海軍の行為について、大臣自身として、もう一度どのように思われているか教えて下さい。
A:これは、一歩間違うと、大変危険な事態が派生する状況でありますので、通常、私どもそれぞれ、このような艦船を保有するような国は、このような火器管制用のいわゆる射撃用のレーダーを発出するということは行いません。よほどのことがない限り、このような事態にはならないということで、厳しくこのような危険な行為については、中国側に自制を求めていくということだと思っています。
Q:大臣の認識としては、軍事衝突の可能性もあったということですか。
A:そこまでの衝突事案とは類推はしておりませんが、少なくとも現場には緊張感が走る、そのような事態だったと思っております。
Q:本日の発表まで期間が空いたということについて、これはなぜかということと、直前に安倍総理と会談されていましたけれども、安倍総理から公表の指示があったのか、この2点を。
A:まず、実はこのような事案ですので、慎重に対応する必要があるということで、私どもそのデータを輸送しまして、そして東京におきましてしっかりとした検証を行いました。その期間、時間がかかったということになります。慎重にも慎重を期して、これが正確にそのような火器管制用の照射のレーダーだったかどうかということの分析・検討に時間がかかったということであります。それから、今日このような事案が分かりましたので、官邸にお伺いしまして総理には事態について説明をさせていただきました。
Q:総理からはどのような指示があったのですか。
A:これはいずれにしてもしっかりとした対応をするということと、また外交ルートでしっかりこのような事態が発生しないように抗議を行うということ、その指示がございましたし、これは外務省とも共有をさせていただきましたので、外務省から外交ルートを通じて中国側に先ほど話したような抗議が行われたということであります。
Q:このような形で公表することも総理の指示だったのですか。
A:これは総理にご了解を得た上でということであります。通常このような特異的な事例については、私どもとして様々な形で対応することになりますが、今回30日の事例は明らかにレーダー照射があったということ、そして19日のヘリコプターの事案は、ヘリコプター自体で警報が鳴りましたので、立て続けの案件だということで、これは自制をしっかり求めないと今後大変な心配な状況になるということで、改めてこのような機会を設けさせていただきました。
Q:中国側の意図についてはどう分析されているのですか。
A:これは分かりません。あくまでも私どもとしては、中国側にこのような行為を行わないということを求めていくということだと思います。あくまでも外交ルートということになります。
Q:これは尖閣周辺なのでしょうか。
A:東シナ海ということでご了解いただければと思います。
Q:過去にこのような事案というのは、1月19日以前というのはあったのでしょうか。
A:全体を通しても極めて特異的な事例ということだと思います。
Q:東シナ海というのはかなり広いのですが、大体でいいのですが、おっしゃられない理由というのは何かありますか。
A:それはどこで我が国の艦船が活動しているか、そういうことを踏まえて防衛省として対応するための報道ぶりというふうにご理解いただければと思います。
Q:尖閣周辺ではない。
A:あくまでも東シナ海ということでご了解いただければと思います。
Q:警戒中とか、それとは関係ない話なのですか。
A:公海上ではあります。
Q:今回のことによって、防衛省・自衛隊として警戒態勢が変わるということはございますか。
A:これは従前からしっかりとした対応をとらせていただいております。ですから、あくまで中国側に外交ルートを通じて、しっかりこのようなことがないように抗議をさせていただくということだと思います。
Q:詳細ですが、距離はどれくらい離れていたのでしょうか。
A:距離については、艦船については約3キロ程度というふうに聞いております。
Q:ヘリはどれくらいですか。
A:詳細はその時点では明確な状況ではありませんでしたので、今詳細については把握しておりません。
Q:中国側から何か反応というのは、抗議に対して反応は何か入っていないのですか。
A:外務省を通じて行っておりますので、外務省の担当者の方に聞いていただければと思います。
Q:これは照射の前に何らか中国側からメッセージなり、そういった何らかアクションがあって、今回の発表している事案になったのですか。その前後の経過が全く分からないのですが。
A:私どもも、やはり今日ここでこうして特異的な例ということで報告させていただいているということは、緊張が走ったということだと思います。
Q:照射の前に中国側が何らか、何か動きがあってこの行動に繋がったとか、そこはどういう。いきなり照射されたということ。
A:その行動ということがどのような意味を持つか分からないので、今私どもとしては、先ほど報告させていただいた以上のものではございません。
Q:防衛省というか大臣としては今回このレーダー照射というのは、自衛隊の艦船がある意味標的になったという、そういう評価・分析をされたわけですか。
A:今回の火器管制用のレーダー、いわゆる射撃用のレーダーということになりますから、これを使用するということは極めて特異的なことだと思っています。
Q:護衛艦のヘリコプターは何らかの回避行動は取ったのでしょうか。
A:そこは差し控えさせていただきたいと思います。
Q:レーダーというのはミサイルを撃つためのものですか、それとも火砲を撃つためのものですか。
A:これは火器管制用ということですので、相手の艦船がこのレーダーでどのような火器を使うかというのは、私どもとしては相手側の反応ですので、ここではお答えできないと思います。
Q:ヘリの方は「疑われる」となっていますが、これは、特定はできていないということですか。
A:様々やはりデータをしっかり解析するということで、私どもとしては明確な照射だということを判断させていただいております。ヘリに関してはいわゆる警告が機械的になされたということであります。
Q:19日に発表しなかったのは、確実とは言えないからという判断だったのですか。
A:このことについては、やはり2国間の関係にも関係する話ですので、私どもとしては、しっかりそのデータ、内容について精査をした上で、改めて公表すべきだと思っておりました。
Q:ただ、19日はいまだに確定できていないのではないですか、「疑われる」というのは。
A:今回、この艦船によることで明確にはっきりいたしましたので、日を待たずして、同じような事例、しかもこういう警告音が鳴るというのは、かなり特異的な例ということでありますので、類推する中でこれは「疑われる」という判断を、我が省としてさせていただきました。
Q:これは海上自衛隊の方に何らかの落ち度があるという話ではなくて、あくまで相手側からの一方的なものだという理解でよろしいですか。
A:私どもに落ち度があるわけはありません。それは明確に言わせていただきます。
Q:自衛隊は「緊張が走った」というのは、応戦の準備まで始めたということでよろしいのでしょうか。
A:いえ、そういうことではありません。あくまでも、やはり特異的な状況だということで、そこは緊張する状況なのだと思います。
Q:これは、それぞれ1回ずつ照射ということでよろしいのでしょうか。
A:これは、ある程度の時間、継続して照射がなされたということであります。
Q:それぞれどれくらいですか。時間は。
A:そこは、相手側にどれくらい私どもが察知したということですが、継続して照射がなされたということであります。
Q:今日、この公表といいますか、大臣の会見がこれだけ1時間以上も遅れたというのはどういうことだったのでしょうか。
A:これは、外務省と相談をしまして、中国側に抗議を行った、それが当初、在京の大使館での抗議ということで想定をさせていただいたので、17時半に終われば、しかるべき時間に会見ができると思っておりましたが、その後、外務省の方の判断で、これは中国の在京の大使館においても行うべきだということがありましたので、北京での抗議が行われたタイミングを見て、この時間になりました。大変お待たせしまして申し訳ありませんでした。