
金曜日の午後五時、大学のキャンパスの桜並木が満開だった。
あかりは今日、ある約束を果たすためにやってきた。
一年前の三月、彼女はこの場所で転んだときに、一人の青年に助けられた。
「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたその人が、後に彼女の友人に紹介されました。
それが、遥人(はると)だった。
それ以来、あかりは彼と少しずつ距離を縮め、いろんな道を歩いてきました。
雨の日も、試験期間中も、疲れている時も、互いに「がんばろう」と声をかけ合った。
そして今日、彼女は彼に想いを伝えると決めたのだ。
「来てくれてありがとう」
「ううん、ここで君に出会えたから。」
そう言って、遥人はポケットから古い万年筆を取り出した。
「実はこれ、君と出会った日に落として故障してしまったんだけど、今日、修理から戻ってきたんだ。」
桜の花びらが舞う中、あかりは少し笑って言った。
「不思議だね、まるで今日、また何かが生まれたみたい。」
彼は静かにうなずき、そっと彼女の手を握った。
その夜、帰宅したあかりは久しぶりにゆっくりと寝ました。
夢の中でも、彼の温かい手の感触が残っていた。
きんようびのごごごじ、だいがくのキャンパスのさくらなみきがまんかいだった。
あかりはきょう、あるやくそくをはたすためにやってきた。
いちねんまえのさんがつ、かのじょはこのばしょでころんだときに、ひとりのせいねんにたすけられた。
「だいじょうぶですか?」とこえをかけてくれたそのひとが、のちにかのじょのゆうじんにしょうかいされました。
それが、はるとだった。
それいらい、あかりはかれとすこしずつきょりをちぢめ、いろんなみちをあるいてきました。
あめのひも、しけんきかんちゅうも、つかれているときも、たがいに「がんばろう」とこえをかけあった。
そしてきょう、かのじょはかれにおもいをつたえるときめたのだ。
「きてくれてありがとう」
「ううん、ここできみにであえたから。」
そういって、はるとはポケットからふるいまんねんひつをとりだした。
「じつはこれ、きみとであったひにおとしてこしょうしてしまったんだけど、きょう、しゅうりからもどってきたんだ。」
さくらのはなびらがまうなか、あかりはすこしわらっていった。
「ふしぎだね、まるできょう、またなにかがうまれたみたい。」
かれはしずかにうなずき、そっとかのじょのてをにぎった。
そのよる、きたくしたあかりはひさしぶりにゆっくりとねました。
ゆめのなかでも、かれのあたたかいてのかんしょくがのこっていた。
星期五下午五點,大學校園的櫻花樹正盛開著。
明里今天是為了完成一個約定而來。
三月的一年前,她在這裡跌倒時,一位青年伸手幫了她一把。
那人後來經朋友介紹給她,
他就是遙人。
從那天起,他們一起走過許多條路。
無論是下雨天、考試期間,還是彼此疲憊時,總會互相說「加油喔」。
而今天,她下定決心,要向他告白。
「謝謝你來。」
「不,是因為我在這裡遇見了妳。」
遙人從口袋拿出一支舊鋼筆。
「這是那天遇見妳時掉在地上後壞掉的,今天才從修理店拿回來。」
在櫻花飛舞中,明里微笑說:
「好神奇,就像今天,有什麼又重新誕生了呢。」
他靜靜地點頭,輕輕握住她的手。
當晚,回到家的明里,久違地安穩入睡了。
即使在夢裡,她仍能感受到那溫暖的手。
At 5 p.m. on Friday, the cherry blossoms on the university campus were in full bloom.
Akari had come to fulfill a promise.
One year ago in March, she had fallen here and was helped up by a young man.
Later, her friend introduced him to her.
His name was Haruto.
Since then, Akari and Haruto had walked many paths together.
On rainy days, during exam weeks, and when they were tired, they always told each other, “Let’s do our best.”
Today, she had decided to confess her feelings to him.
“Thank you for coming.”
“No, I’m glad I met you here.”
He then pulled out an old fountain pen from his pocket.
“I actually dropped this on the day we met, and it broke. But it just came back from being repaired today.”
As the petals danced in the air, Akari smiled and said,
“It’s strange... it feels like something has been born again today.”
He nodded quietly and gently held her hand.
That night, when Akari got home, she peacefully fell asleep for the first time in a while.
Even in her dreams, she could still feel the warmth of his hand.