暑中見舞とは、夏場のご挨拶として、知り合いにハガキをだすことです。暑中見舞を書くときには、最初に「暑中お見舞申し上げます」と書きます。「暑い夏のなか、お見舞いをお申し上げます」、つまり「夏は暑いですけど、お元気ですか」の意味をしています。
日本では、四季の流れがはっきりとしていたため、平安時代の貴族の和歌は、最初に四季を歌う言葉が詠まれています。現在有名な俳句も、最初は季語と決まっています。また、日本人は対面のときに私事を聞かれることを嫌がります。そのため日本人との挨拶は天気のことを語ると安全です。「今日は暑いですね」「最近は大雨でしたけどうちのほうは大丈夫でしたか?」これは台湾人の挨拶言葉に「ごはんを食べましたか」「お腹いっぱいですか」の文化観念とは全然違うところです。
このように、手紙の冒頭に季節の挨拶をすることは、年賀状や暑中見舞だけではなく、メールでも使われています。日本人が天気に関する挨拶をする習慣は、今でもなお残されているのです。
一年の半ば、夏期は日本人が上司や知り合いにご挨拶をする時期です。年末の挨拶と同じく、「お疲れ様です。これからもよろしくお願いします」の意味を含めて、年末では「お歳暮」、暑中見舞には「お中元」を出します。「お中元」を出す時期はお盆の時期とよく重なるので、夏は日本人にとって公的私的ともお休みの時期と言えます。