2022年に入り、現実世界でのバーチャルヒューマンの応用について話すべき時が来たと感じています。バーチャル・ヒューマンは、豊富で完璧なメタバースという幻の世界の話だけではなく、現実の世界における人材不足を補い始めています。
深刻な人手不足のため24時間営業を維持できなくなったコンビニフランチャイズオーナーが2012年からセブン‐イレブンジャパン本部に窮状を訴えてきた事件は、2019年裁判になりましたが営業時間調整の許可が出ませんでした。双方は和解を拒み、未だに訴訟中です。
(参考資料:https://www.minpokyo.org/incident/2020/11/7493/)
出生率の低下と社会変動はこれまでの企業経営のやり方に重大な影響を及ぼしています。バーチャルヒューマンを中心に遠隔バーチャルヒューマンサービスセンターを設立し、複数店舗を同時にサービス可能なシステムを構築し、音声で可動するバーチャルヒューマンと組み合わせて統合します。この様なシステムは店舗での接客に関する人手不足の解決になるでしょう。さらに“中の人”(バーチャルヒューマンのキャラクターを演じる者)によるマニュアル通りの顧客対応のみでなく、リモートでの接客も暖かみのあるものになります。このソリューションにより多方面でメリットが生まれる可能性があります。
高齢化社会が進む中、介護問題も重要な課題です。認知障害により何度も同じ話をしたり、同じ問題が何度も何度も起きる状況は、ケアをする介護士や看護師の精神的疲労を招きます。どんなに広い心の持ち主でも常に思いやりの気持ちを保つことは困難です。そんな時、高齢者が子供の頃に慣れ親しんでいたアニメ(バーチャル)のキャラクターにAIを搭載させることが大きな助けになります。バーチャルキャラクターは1000回同じ質問をされても疲れる事はありません。介護士や看護師の人手不足の問題を解決するだけでなく、ストレスによるバーンアウトも著しく減少するでしょう。高齢者にとっても助けを求める心理的な負担が回避でき、同時に尊厳を保つこともできます。
残念ながら現在の日本、中国、北アメリカでのバーチャルヒューマンの応用はほぼエンターテインメント産業内に限られています。短期の注目を集める目的で使用され社会貢献に至ることはありません。しかし、バーチャルヒューマンは多種多様な産業での応用が可能です。新しい技術応用と統合し、バーチャルヒューマンは人類社会が今日直面している問題を効果的に改善、それは必然的な次のステップであると私は信じています。
一般社団法人アジアバーチャルヒューマン協会
創設時理事
台湾VTuber協会
代表理事
クリストファー・チェン