2024-01-01|閱讀時間 ‧ 約 26 分鐘

SCENT SCIENCE 香りの科学 L - 03 パクチーの香りと調香について


Lesson 3 調香師の秘密兵器 - それはパクチー!?


調香師の秘密兵器 - それはパクチー!?


良いにおい、だから美味しい

私が師匠とする人と共に料理作りをしている時、彼は常に:『美味しい料理は良い匂いがする。箸が進む良い匂い。香りがない料理はどんなにうまく調理しても美味しくならない。』と言っていたのをずっと覚えています。後の料理教室のプロセスの中で、中国の香りのきつい香辛料、フランスの調味料、イタリア調理、あらゆるスパイスを試し、異なる火加減の中での香りを吟味していました。


香りを嗅ぐこと味わうこと

ごちそうの香ばしい香りはすべて食材の中の水溶性の揮発成分から来たものであり、それが鼻腔内の嗅覚細胞神経に衝撃を引き起こすことによって、普段私たちはさまざまな匂いを感じます。これらの匂いは二つの方法を通して鼻腔の中に入ってくることができます。まず一つ目は鼻腔の端から入ってくる方法で別名オルソネイザル嗅覚(orthonasal olfaction); 二つ目は反対に口の中や喉から入る方法、別名レトロネイザル嗅覚(retronasal olfaction)と呼ばれます。簡単な例えを用いていうと、鼻から匂うにおいと口から口中から匂う匂いです。

私が大学生の頃、人体生理学実験コースの中で、最も印象に残っていることは教授が私たちに「鼻を強くつまんで食べるようにしなさい、食べ物の甘味、酸味、苦味、塩味を口の中で感じられるぞ」といいました。しかし、手を放して鼻がよく通るようになったあと、口の中に食べ物の味が四方八方から押し寄せてくるのを感じ、その時、私たち人間は普段、嗅覚と舌先の味覚が共に合わさることで食べ物の味を感じているのだということに気づいたのです。


パクチー、好き嫌いの分かれる食べ物

数多くのスパイスの中で、長期にわたって幅広く使用され、多くの人々の好みが極端に分かれる香料といえば『コリアンダー』別名『パクチー』でしょう。紀元前500年頃には古代ギリシャ人が肉の生臭さを隠すためにパクチーを使用していたという記録があります。遺伝子学者たちはまた、人体内のある遺伝子の存在がパクチーに対する嗜好に影響し、さらに一部の人にはパクチーの独特の香りを感じない人もいるといいます。調理するときにパクチーを使用することで、パクチーがレモンと甘いオレンジを混ぜたような爽やかな風味を食材にもたらしてくれます。しかし、パクチー嫌いの人とっては、かえってパクチーの香りが不快なギトギトしたものに感じられてしまいます。


パクチー、香水作りの秘密兵器

パクチーは調理する時以外にも、調香師が調香する時にも実は使用されているのです、パクチーは香水をより印象深いものにする秘密兵器なのです。パクチーには天然由来のアルデヒドが多く含まれており、これらの分子はごく少量でより顕著に香り付けをすることができます。したがって香水がより軽く、より透明感の溢れる清楚な風味を表現できるようになります。また、ドデセナールの官能基は特殊な香水を製造している途中で、香水の中に含まれるアロマ物質と再結合し、温かくかつ明瞭な印象を与えます。香水の配合を吟味していく中で、パクチーは化粧とよく似た役割を果たしています。より落ち着いたフレッシュな香り付けをし、香水よりリラックスかつ素敵なものへと変化させるのです。


調理は熱化学、調香は?

調香は料理と同じで、様々な素材のちょうどいい組み合わせとバランスを考えることで、満足感や幸福感を感じることができます。しかし調香は実際料理よりとても簡単で気楽にできるものです、なんせ火を使う必要がありません、ソファでゆっくりごろごろしていても構いません。創造性は無限なのです。調香師がどのように香りを作っているのか気になる方は以下に貼っておりますリンクから調香師に直接連絡を取ることができます。もしかしたら調香師と一緒に香りをデザインするチャンスもあるかもしれません。(ごちそうを作って皆様を待っているかもしれませんよ。)


連絡はこちらから



分享至
成為作者繼續創作的動力吧!
© 2024 vocus All rights reserved.