- 日本語では、話し手と話題の人物(話の中に出てくる人)との関係、話し手と聞き手との関係、場面などによって、言葉遣いを変えることがある。敬語はそのようなことばづかいの一つである。
-敬語は、話し手が、聞き手や話題の人物、発話の場面に対して配慮していることを表すために使う。この配慮のことを「敬意」と呼ぶ。「敬意」を表すことは、 社会的なルールとして求められるもので、個人の感情や気持ちで使うかどうかが決まるものではない。
-日本語の敬語には、「尊敬語/尊敬表現」と「謙譲語/謙譲表現」がある。主語が敬意を表す相手のときに、その動作を表す動詞を「尊敬語/尊敬表現」にする。 話し手(または話し手側の人)の動作を述べるとき、その動詞を「謙譲語/謙譲表現」にする。
・在日語中,根據說話人和話題人物(談話中出現的人)的關係、說話者和聽話者的關係、場面等,有時會改變措辭。 敬語是那樣的措辭之一。
・敬語用於表示說話者對聽話者、話題人物、發言場面的關心。 這種關懷被稱為“敬意”。 表達“敬意”是作為社會性的規則而被要求的,並不能决定是否用個人的感情和心情來使用。
・日語的敬語有“尊敬語/尊敬表達”和“謙讓語/謙讓表達”。 主語是表示敬意的對方時,將表示該動作的動詞作為“尊敬語/尊敬表現”。 敘述說話人(或說話人方面的人)的動作時,將該動詞作為“謙讓語/謙讓表現”。
-電話をかけたり受けたりするときの慣用的な表現に、敬語が使われる。
・在打電話或接電話時的慣用表達中,使用敬語。
1)(友達の家に電話をかける)
(打電話給朋友家)
山中::はい、山中です。
山中:是的,我是山中。
高橋:高橋ですが、まさるさんは いらっしゃいますか。
高橋:我是高橋,請問masaru在嗎?
山中:まだ学校から戻っておりませんが。
山中:他還沒從學校回來。
高橋:じゃあ、お帰りになったら、お電話を いただけますか。
高橋:那麼,回來的話,能給我回個電話嗎?
2)(ほかの会社に電話をかける)
(打電話給其他公司)
村田:はい、○○社です。
村田:是的,是○○公司。
小林:〇〇銀行の小林と 申しますが、木村さんを お願いします。
小林:我是銀行的小林,請找一下木村先生。
村田:申し訳ありません。木村は ちょっと出かけていますが。
村田:很抱歉。 木村出去一會兒。
小林:では、お戻りになったら、電話があったことを お伝えいただけません
か。
小林:那麼,回來的話,可以幫我轉告他來過電話嗎?
-先生や会社の上司など、 目上の人の動作に使い、その人への敬意を表す。
・用於老師和公司的上司等上級的動作,表示對那個人的敬意。
1)社員:午後は、何時ごろ お戻りになりますか。
員工:您下午幾點回來呢?
部長:2時の会議までに 戻りますよ。
部長:我會在兩點開會之前回來。
2)学生:先生、コーヒーを入れたんですが、お飲みになりませんか。
學生:老師,我泡了咖啡,您要不要喝呢?
先生:ああ、いいにおいですね。ありがとう。
老師:啊,好香啊。 謝謝。
3)学生:先生、図書館にどろぼうが入ったこと、お聞きになりましたか。
學生:老師,您聽說了圖書館闖進小偷嗎?
先生:ええ、コンピューターが盗まれたそうですね。
老師:是的,聽說電腦被偷了。
4)社員A:課長は どちらですか。
員工A:課長在哪裡呢?
社員B:先ほど 食事に お出かけになりました。
員工B:他剛才出去吃飯了。
5)社員A:社長は 何時に ご出発になりますか。
員工A:社長幾點出發呢。
社員B:10時だそうです。
員工B:聽說是10點。
-話題の人物がその場にいないときには、敬語を使わなくてもよい。
・話題人物不在場時,可以不用敬語。
社員A:木村部長は どちらですか。
員工A:木村部長在哪裡?
社員B:先ほど 食事に 出かけました。
員工B:剛才出去吃飯了。
-話し手が自分の会社の上司についてほかの会社の人に話すとき、尊敬語/尊敬表現は使えない。(下の例では、山田が自分の会社の木村部長のことについて、 ほかの会社の田中に話している。)
・說話者對其他公司的人說自己公司的上司時,不能使用尊敬語/尊敬語。 (在下面的例子中,山田就自己公司的木村部長的事情,和其他公司的田中說了。)
6)田中:木村部長は何時に お戻りになりますか。
田中:木村部長幾點回來。
山田:2時に お戻りになります。(×)
山田:兩點回來。 ( ×)
2時に 戻ります。(○)
2點回來。 (○)
-年上も目上として敬語を使うことがある。ただし、話し手が自分の家族(親、兄、姉など)について、ほかの人に話すときは使えない。
・年長的人也會作為長輩使用敬語。 但是,說話者對別人說自己的家人(父母、哥哥、姐姐等)時不能使用。
○○さんのおばあさんは、先週 ご退院になりました。
○○的奶奶上週出院了。
(わたしの)祖母は、先週 ご退院になりました。(×)
(わたしの)祖母は、先週退院しました。(○)
-「公の場面や改まった場面」とは、具体的には次のような場面のことである。
-スピーチ、会議、発表、面接、インタビュー、放送、アナウンス、案内や注意などの掲示物、など。
・“公開的場面和正式的場面”具體是指以下的場面。
・スピーチ、会議、発表、面接、インタビュー、放送、アナウンス、案内や注意などの掲示物、など。
-初めて会った人やよく知らない人の動作に使い、その人への敬意を表す。
・用於初次見面的人和不熟悉的人的動作,表示對那個人的敬意。
7)(バスの中で立っている人に)
(對在公車裡站著的人)
A:こちらに おかけになりませんか。
A:您要不要坐這裡呢?
B:どうもありがとうございます。
B:謝謝。
8)(電車で、傘を忘れて降りようとした人に)
(對在電車上忘記傘準備要下車的人)
A:これ、お忘れになりましたよ。
A:這個,您忘了喔。
B:あ、どうもすみません。
B:啊,真不好意思。
9)(道で)
(在路上)
A:あのう、○○中学校へは どう行ったらいいですか。
A:請問,去○○中學怎麼走?
B:すみません。よくわからないんですが…。まっすぐ行くと交番がありますから、 そこで お聞きになって ください。
B:不好意思。 我不太清楚…。 一直往前走就有派出所,請您在那邊問。
10)(留学生がホームステイの家に着いて)
(留學生到寄宿家庭後)
留学生:はじめまして。よろしく願いします。
留學生:初次見面。 請多指教。
ホームステイの家族:よくいらっしゃいましたね。お疲れになったでしょ
う。
寄宿家庭:歡迎光臨。 辛苦了吧?
-店員などが客の動作に使い、客への敬意を表す。
・店員等用在客人的動作上,表示對客人的敬意。
11)(レストランで)
(在餐廳)
店員:たばこは お吸いになりますか。
店員:您抽菸嗎?
客:いいえ、吸いません。
顧客:不,我不抽。
店員:では、こちらへ どうぞ。
店員:那麼,這邊請。
12)(レストランで)
(在餐廳)
店員:お決まりになりましたか。
店員:您决定好了嗎?
客:ええ、トマトサラダとステーキを お願いします。
客人:嗯,請給我蕃茄沙拉和牛排。
13)旅行会社の人:お泊まりになるホテルは 空港の近くが よろしいですか。
旅行社的人:您住的飯店在機場附近可以嗎?
客:はい、お願いします。
客人:好,麻煩你。
14)(スーパーで、クレジットカードを出して)
(在超市拿出信用卡)
客:このカードは 使えますか。
顧客:這張卡可以用嗎?
店員:はい、お使いになれます。
店員:是,可以用。
15)(ホテルで)
(在飯店)
客:インターネットは 使えますか。
顧客:網路可以使用嗎?
ホテルの人:はい、お部屋から ご利用になれます。
飯店的人:是的,可以從房間裏使用。
-スピーチや案内など公の場面や改まった場面で使う。 聞き手(読み手)の動作に使い、聞き手(読み手)への敬意を表す。
・用於演講、介紹等公開場合或正式場合。 用於聽者(讀者)的動作,表示對聽者(讀者)的敬意。
16)(卒業して国へ帰る留学生のためのパーティーで、先生があいさつ
する)
(在為畢業回國的留學生舉行的聚會上,老師致辭)
○○さんは来週 お国に お帰りになりますが、これからも、ぜひ 今までと
同じように、熱心に 日本語の勉強を続けてください。
○○下週就要回國了,今後也一定要和到現在同樣地,熱忱地學習日語。
17)(会議で)
(在會議上)
○○さんがお調べになった資料ですが、少しデータに問題があるので
はないでしょうか。
這是○○先生調查的資料,似乎數據有點問題。
18)(結婚式のスピーチで)
(在婚禮演講中)
○○さん、おめでとうございます。ほんとうに素晴らしい方を お選びに
なりましたね。
○○,恭喜你。 選擇了好棒的人呢。
19)(図書館の雑誌の棚にはってある注意書き)
(圖書館雜誌架上的注意事項)
お読みになった雑誌は、必ず同じ場所に戻しておいてください。
您看過的雜誌一定請務必放回同一個地方。
https://minnanokyozai.jp/kyozai/grammar/text/kanalist/ja/render.do